『老子』:「禅」の源流、全文 書き下し文と現代語訳(超訳)【第三十六章】柔弱は剛強に勝つ

車中泊と老子,『老子』全文 書き下し文と現代語訳(超訳)

第三十六章

※書き下し文、現代語訳は、蜂屋 邦夫先生著『老子』 (岩波文庫)を参考にしました。

書き下し文

(これ)ちぢめんと将欲ほっ(せば、(かなら)しばら(これ)()れ。

(これ)(よわ)めんと将欲ほっせば、(かなら)しばら(これ)(つよ)めよ。

(これ)(はい)せんと将欲ほっせば、(かなら)しばら(これ)(おこ)せ。

(これ)(うば)わんと将欲ほっせば、(かなら)しばら(これ)(あた)えよ。

)れを()(めい)()う。

柔弱じゅうじゃく)剛強(ごうきょう)()つ。

うお(ふち)より(だっ))からず、

(くに)利器(りき)もっ(ひと)(しめ))からず。

現代語訳(超訳)

縮めようするならば、必ずしばらく拡張してやりなさい。

弱めようとするならば、必ずしばらく強めてやりなさい。

廃止しようとするならば、必ずしばらく挙用してやりなさい。

奪ってやろうとするならば、必ずしばらく与えてやりなさい。(※老子的成功法則。キリスト教の聖書と同じことを言っている。「与えなさい。そうすれば与えられます。」新約聖書、ルカの福音書)

これを奥深い洞察力といいます。

柔弱なるものは剛強なるものに勝ちます。

魚は淵(水を深くたたえている所、深みのある場所)から離れてはいけません(浅いところに行くと釣られたり捕まってしまう)。

国家の統治システムも、深い肝心なところは人民に見せないようにしなさい。

※次章:『老子』全文 書き下し文と現代語訳(超訳)【第三十七章】道は常に無為にして、しかも為さざる無し。

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