『老子』:「禅」の源流、全文 書き下し文と現代語訳(超訳)【第三十三章】足るを知る者は富む(※明石家さんま「生きてるだけで丸儲け」)

2025年1月12日車中泊と老子,『老子』全文 書き下し文と現代語訳(超訳)

第三十三章

※書き下し文、現代語訳は、蜂屋 邦夫先生著『老子』 (岩波文庫)を参考にしました。

書き下し文

(ひと)()(もの)なり、(みずか)()(もの)(めい)なり。

(ひと)()(もの)(ちから)()り、(みずか)()(もの)(つよ)し。

()るを()(もの)()つとめて(おこ)なう(もの)(こころざし)(ゆう)す。

()(ところ)(うしな)わざる(もの)(ひさ)しく、()してしか(ほろ)びざる(もの)寿いのちなが)し。

現代語訳(超訳)

他人のことが分かる人は智者ですが、自分のことが分かる人は目覚めた人です。

他人にうち勝つ人は力がありますが、自分にうち勝つ人は真の強者です。

目が見えて、息が吸えて、今、ここに生きていることが当たり前ではないことを理解し、それを素直に感謝し、「アレが無いコレが無い」とグチグチ不平不満を言うことなく、「今ここ」の満足を知る(足るを知る)人は真に豊かな人です。(※明石家さんま氏が言う「生きてるだけで丸儲け」)

口先だけでなく力を尽くして行動する人は志が遂げられます。

自分のいるべき場所を見失わない人は長続きします。

永遠にほろびることのない「道」のままに生きる人は、たとえその人が死んだとしても、その生き方はほろびません。これこそ真の長寿と言うべきです。

※次章:『老子』全文 書き下し文と現代語訳(超訳)【第三十四章】功成りて有を名のらず。万物を衣養して主とならず。

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