『老子』:「禅」の源流、全文 書き下し文と現代語訳(超訳)【第四十八章】道を為す者は日に損す。之を損しまた損し、以て無為に至る。蛭子能収「最近は麻雀もパチンコも全然やらない。自然の花とか見るのが楽しいですね。」

2025年1月28日車中泊と老子,『老子』全文 書き下し文と現代語訳(超訳)


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第四十八章

※書き下し文、現代語訳は、蜂屋 邦夫先生著『老子』 (岩波文庫)を参考にしました。

書き下し文

(がく)()(もの)()(えき)し、

(みち)()(もの)()(そん)す。

(これ)(そん)(また)(そん)し、もっ無為(むい)(いた)る。

無為(むい)にしてしか()さざる()し。

天下(てんか)()るは、(つね)(こと)()きを(もっ)てす。

()(こと)()るに(およ)びては、もっ天下(てんか)()るに()らず。

現代語訳(超訳)

学問を修める者は、日々いろいろな知識(儒教の四書五経など)が増えていきますが、

道を修める者は日々いろいろな欲望が減っていきます。

欲望を減らし、さらに減らして、何事も為さないところまで行きつきます。

何事も為さないでいて、しかもすべてのことを為しています。(※例えば水は、一見すると何もしていないように見えるが、実は巨大な岩石をも破壊する力を秘め、また万物に恩恵を与えあらゆる生命いのちはぐくんでいる。それでいて見返りを求めたり、支配しようとはしない。「無為」(水の、作為の無い、自然で自発的なありさま)は何もしていないということではなく、ちゃんと働きが有る)(※関連記事:【第四十三章】不言(ふげん)の教え、無為(むい)の益は、天下、これに及ぶもの希(まれ)なり。

天下を舵取りする(統治する)には、いつでも物事がおのずから進みたいように、自然の流れに任せ、作為的なことはしないようにします。

作為をろうしてなにか事を構えるのは、天下を統治するには不十分です。

※次章:『老子』:「禅」の源流、全文 書き下し文と現代語訳(超訳)【第四十九章】聖人は常に無心にして、百姓(ひゃくせい)の心を以て心と為す。徳は善なり。徳は信なり。」

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