『老子』:「禅」の源流、全文 書き下し文と現代語訳(超訳)【第三章】賢をたっとばざらば、民をして争わざらしむ

2024年11月5日車中泊と老子,『老子』全文 書き下し文と現代語訳(超訳)

第三章

※書き下し文、現代語訳は、蜂屋 邦夫先生著『老子』 (岩波文庫)を参考にしました。

書き下し文

(けん)(たっと)ばざらば、(たみ)をして(あらそ)わざら使()む。

得難(えがた)きの()(たっと)ばざらば、(たみ)をして(とう)()さざら使()む。

(ほっ)()きを(しめ)さざらば、(こころ)をして(みだ)れざら使()む。

(ここ)(もっ)聖人(せいじん)()は、()(こころ)(むな)しくして()(はら)()たし、

()(こころざし)(よわ)くして()(ほね)(つよ)くし、

(つね)(たみ)をして無知(むち)無欲(むよく)なら使()め、

()知者(ちしゃ)をして(あえ)()さざら使()む。

()()きを()さば(すなわ)(おさ)まらざること()し。

現代語訳(超訳)

君主が才能ある者を重用ちょうようしなければ、人民は争わないようになります。(重用すると、人民は俺が俺がと争うようになる)

君主が珍しい財宝を尊重しなければ、人民は盗みをしないようになります。

君主が多くの欲望を持たなければ、人民は乱れなくなります。

そういうわけで聖人の政治は、人民の心を単純にさせて腹をいっぱいにさせ、

人民のこころざしを弱めて筋骨を丈夫にさせ、

いつでも人民を無知無欲の状態におき、

あの賢しらな者には行動をさせないようにします。

無為によって事を処理していけば、治まらないことはありません。

※次章:『老子』全文 書き下し文と現代語訳(超訳)【第四章】その光を和らげ、その塵に同ず

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