『老子』全文 書き下し文と現代語訳(超訳)【第三章】賢をたっとばざらば、民をして争わざらしむ
第三章
※書き下し文、現代語訳は、蜂屋 邦夫先生著『老子』 (岩波文庫)を参考にしました。
書き下し文
賢を尚ばざらば、民をして争わざら使む。
得難きの貨を貴ばざらば、民をして盗を為さざら使む。
欲す可きを見さざらば、心をして乱れざら使む。
是を以て聖人の治は、其の心を虚しくして其の腹を実たし、其の志を弱くして其の骨を強くし、常に民をして無知無欲なら使め、夫の知者をして敢て為さざら使む。
為す無きを為さば則ち治まらざること無し。
現代語訳(超訳)
君主が才能ある者を重用しなければ、人民は争わないようになります。(重用すると、人民は俺が俺がと争うようになる)
君主が珍しい財宝を尊重しなければ、人民は盗みをしないようになります。
君主が多くの欲望を持たなければ、人民は乱れなくなります。
そういうわけで聖人の政治は、人民の心を単純にさせて腹をいっぱいにさせ、人民のこころざしを弱めて筋骨を丈夫にさせ、いつでも人民を無知無欲の状態におき、あの賢しらな者には行動をさせないようにします。
無為によって事を処理していけば、治まらないことはありません。
当ブログ筆者のコメント(蛇足)
現代の民主主義にはそぐわないかもしれない。(笑)
中国、北朝鮮などの共産主義国、ロシアなどの独裁国家では、統治の現実として上記の内容がそのまま実行されているように思う(愚民化政策)。
当ブログ筆者はこの章については受け入れがたい。
・・・が、冷静に考えると日本やアメリカの政治・人民統治も、現実にはこのとおりに行われているような気もする。
やはり老子は深い。
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