『老子』全文 書き下し文と現代語訳(超訳)【第五章】多言はしばしば窮す、中を守るにしかず

2024年11月5日車中泊と老子,『老子』全文 書き下し文と現代語訳(超訳)

第五章

※書き下し文、現代語訳は、蜂屋 邦夫先生著『老子』 (岩波文庫)を参考にしました。

書き下し文

天地(てんち)(じん)ならず、万物(ばんぶつ)(もっ)芻狗すうく()す。

聖人(せいじん)(じん)ならず、百姓(ひゃくせい(もっ)芻狗すうく()す。

天地(てんち)かん)は、()(橐籥たくやくのごとき

きょにしてきず、(うご)きていよいよ)ず。

多言(たげん)しば)しば(きゅう)ちゅう(まも)るに()かず。

現代語訳(超訳)

天地には仁愛などはありません(「仁愛」は人間の作った虚構である)。

万物をわらの犬(祭り用の草であんだ犬)として扱います。(日光や雨風など天地自然は何かを特別扱いしたりせず、価値中立的な無為の立場にいる)

聖人には仁愛などはありません。

人民をわらの犬(祭り用の草であんだ犬)として扱います。(天地自然と同様に、聖人は何かを特別扱いしたりせず、価値中立的な無為の立場にいる)

天と地との間は、ふいごのようなものでしょうか。

空っぽですが尽き果てることなく、動けば動くほど、ますます万物が生まれてきます。

言葉が多いとしばしば行き詰まります。

偏りのない虚心なのが一番良いのです。

※次章:『老子』全文 書き下し文と現代語訳(超訳)【第六章】谷神は死せず、これを玄牝という

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