『老子』:「禅」の源流、全文 書き下し文と現代語訳(超訳)【第六十八章】よく士(し)たる者は武(ぶ)ならず。よく戦う者は怒(いか)らず。よく敵に勝つ者は与(とも)にせず。よく人を用いる者はこれが下(しも)となる。

2025年2月27日車中泊と老子,『老子』全文 書き下し文と現代語訳(超訳)

第六十八章

※書き下し文、現代語訳は、蜂屋 邦夫先生著『老子』 (岩波文庫)を参考にしました。

書き下し文

()())(もの)()ならず。

()(たたか)(もの)いからず。

()(てき)()(もの)ともにせず。

()(ひと)(もち)いる(もの)(これ)(しも()る。

)れを(あらそ)わざるの(とく)()う。

)れを(ひと)(ちから)(もち)いる()う。

)れを(てん)(はい)()う。

(いにしえ)(きょく)なり。

現代語訳(超訳)

すぐれた武将は、強がったり猛々たけだけしくしません。(※真の強者は俺強いアピールなどしない。能ある鷹は爪を隠す。弱い犬ほどよく吠える。)

すぐれた戦士は、怒りに任せるようなことはしません。

うまく敵に勝つ者は、敵と争いを起こしません。(※戦わずして勝つ、ということ。ちなみに「孫子の兵法」は老子の影響を強く受けていると言われている。「百戦百勝は善の善なるものにあらざるなり。 戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり。」

うまく人を使う者は、常にへりくだります。(※威張ったり、虚勢を張ったり、上から頭ごなしに命令しても人は動かない。)

これを「争わない徳」といい、

これを「人の能力を使う」といい、

これを「天に匹敵する」といいます。

昔からの最高の道理です。

※次章:『老子』:「禅」の源流、全文 書き下し文と現代語訳(超訳)【第六十九章】兵を用うるに言(げん)あり。吾れあえて主(しゅ)と為らずして客(きゃく)となり、あえて寸(すん)を進まずして尺(しゃく)を退く、と。

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