『老子』:「禅」の源流、全文 書き下し文と現代語訳(超訳)【第七十九章】大怨(たいえん)を和するも、必ず余怨(よえん)有り。

2025年3月21日車中泊と老子,『老子』全文 書き下し文と現代語訳(超訳)

第七十九章

※書き下し文、現代語訳は、蜂屋 邦夫先生著『老子』 (岩波文庫)を参考にしました。

書き下し文

大怨(たいえん)()するも、(かなら)余怨(よえん)()り。

(いず)くんぞもっ(ぜん)()()けんや。

(ここ)(もっ)聖人(せいじん)は、()(けい)()りてしか(ひと)()めず。

(ゆえ)に、(とく)()るものは(けい)(つかさど)(とく)()きものは(てつ)(つかさど)る。

天道(てんどう)親無(しんな)し、(つね)善人(ぜんにん)(くみ)す。

現代語訳(超訳)

深刻な怨みを無理やり解いても、必ずあとまで怨みが残ります。

それがどうして善いことといえるでしょうか。

そういうわけで、聖人は借金の割り符の左半分をもっていても、それで人々を責めたてて怨みを買うようなことはしません。

だから、徳のあるものは割り符を司り(※金を貸してもそれで債務者を責めない。水や太陽のように恩沢を与えても見返りを求めないということ)、

徳のないものは微税を司ります(※貸してもないのに取り上げる、一方的に収奪するということ)。

天の道にえこひいきはなく、いつでも善人に味方します。

※次章:『老子』:「禅」の源流、全文 書き下し文と現代語訳(超訳)【第八十章】其の食を甘(うま)しとし、其の服を美(よ)しとし、其の居(きょ)に安(やす)んじ、其の俗を楽しとす。

『老子』全文 書き下し文と現代語訳(超訳)記事一覧はこちら