『老子』:「禅」の源流、全文 書き下し文と現代語訳(超訳)【第七十一章】知りて知らずとするは上(じょう)なり。知らずして知るとするは病(へい)なり。ノーベル賞受賞・天才科学者「生命現象というのはほとんど分かってないことだらけなんです。」
第七十一章
※書き下し文、現代語訳は、蜂屋 邦夫先生著『老子』 (岩波文庫)を参考にしました。
書き下し文
知りて知らずとするは上なり。
知らずして知るとするは病なり。
聖人の病あらざるは、其の病を病とするを以てなり。
夫れ唯だ病を病とす、是を以て病あらず。
現代語訳(超訳)
知っていても知らないと思うのが最上の境地です。(※道は無限であり、たとえ知ったとしてもそれは道のほんの一面に過ぎないし、そもそも言葉で道の全てを表すこともできない。)
(※ニュートンのような世紀の大天才も、最終的には老子的境地に至った。)
(※IPS細胞でノーベル賞受賞の山中先生、上記の動画内で「まだまだ、これだけ研究が進んだとはいえ、わからないことの方が多いです。」 本当に凄い人は皆謙虚。)
本当は知らないのに自分はそれを知っていると思う(知っているふりをする、知っているつもりになる)のは病(欠点、難点)です。
聖人にこの病(本当は知らないのに自分はそれを知っていると思う)がないのは、病(欠点、難点)を病(欠点、難点)と自覚しているからです。
そもそも、病(欠点、難点)を病(欠点、難点)とするからこそ、それだからこそ病(欠点、難点)がないのです。
※次章:『老子』:「禅」の源流、全文 書き下し文と現代語訳(超訳)【第七十二章】是(ここ)を以て聖人は、自ら知りて自ら見ず、自ら愛(いと)しんで自ら貴(たっと)ばず。
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